チェンジアップ

メトロノームのクリック音の間に叩く回数を

「1発、1発、1発、1発、2発、2発、2発、2発、3発、3発、3発、3発、
4発、4発、4発、4発、5発、5発、5発、5発、6発、6発、6発、6発、
7発、7発、7発、7発、8発、8発、8発、8発、・・・」

と増やしていくもの(別に4回ずつじゃなくても大丈夫ですが)。
逆に回数を減らしていくのを「チェンジダウン」といいます。
それぞれの打数と同じ文字数の単語を口にしながら叩くと 感覚がつかみやすいと思います。
3発なら「レタス」、5発なら「いけぶくろ」、6発なら「マクドナルド」 とか・・・。



体のどこかでリズムをとる

リズムをとることに慣れていない場合は、ドラム演奏において、 直接音を出すことに関わる手足にばかり意識が行きがちです。

そこで、演奏で音を出すことに直接関わりのない部分でリズムを とるクセをつけることで、リズムの流れに対する理解が深まります。

慣れてない場合は、まず「左足でリズムを踏む」というのを試すのが 取っ掛かりやすいと思います。

具体的には、まず8ビートを叩く場合を考え、右手とまったく同じ タイミングで左足を踏んでみます。ハイハットをクローズで叩く場合は 左足のつま先でハイハットプレートを踏んだまま、かかとでリズムをとります。
慣れてきたら、ハーフビートやダブルビート、フィルインを入れても 左足の刻みが乱れないように練習していきます。
さらに慣れてきたら、左足で刻む回数を半分にし、「表」や「裏」でも 踏めるように練習できればさらに効果的です。

左足でリズムをとることに慣れてくれば、「頭」や「胸」、「腰」などで リズムをとることも理解しやすくなるはずです。

自分に合ったリズムの取り方をマスターしたいものです。



メトロノームを「裏」でとる

ロック系のドラムのコピーばかりやっていると、なかなかリズムの 「裏」に対する感覚を鍛える機会が少ないかと思います。
そこでメトロノームを「裏」でとる練習をすることで、リズムの 「裏」に対する感覚を鍛えます。

初めての人は、まずメトロノームをゆっくり(BPM50〜80くらい)に 設定し、スティックは持たずにクリックを聴くだけにします。
そしてクリックに合わせて

「1 と 2 と 3 と 4 と ・・・」

と声を出して数えていきますが、「と」の部分をクリックが鳴る タイミングに合わせ、数字の部分をクリックとクリックとの間に 言えるように練習します。

コツは数字の「1」から数え始めるのではなく、「と」から声に 出し、

「と 1 と 2 と 3 と 4 と ・・・」

という風に数えていきます。
まずはこれで「裏」に対する感覚に慣れ、次にスティックを持って メトロノームの裏をとりながら、練習パッドかスネアのみで適当に 叩いてみます。そして普通にドラムセットを叩けるようにまでなれ ば、「裏」に対する感覚がかなり鍛えられたと言っても良いでしょう。

この練習法はドラマーだけでなく、ギターやベース、金管の人にも 幅広く愛されているようです。



歩きながらリズムの「裏」を鍛える

普段の生活で「裏」に対する感覚を鍛える方法です。

歩いているときに足が地面に接地する瞬間を狙って「イチ,ニ,サン,シ,イチ,ニ,サン,シ,」
と数えていくのは簡単にできると思います。そこで足が地面に接地する瞬間の「裏」(足が あがった瞬間)を狙って「イチ,ニ,サン,シ,イチ,ニ,サン,シ,」と数えみます。
慣れていないとかなり難しいかもしれません。

具体的には「イチ,ニ,サン,シ,イチ,ニ,サン,シ,」それぞれの間に「と」を入れて

「イチ と ニ と サン と シ と イチ と ニ と サン と シ と」

と数え、「と」の瞬間に足が地面に設置するようにします。
ゆっくり声を出しながらやってみればコツがつかめるかと思います。

これをやっているとリズムの「裏」に対する感覚が強化されます。



かなり遅いテンポで練習をする

ドラムの練習を重ねるにつれて、

「どんどん速いテンポが叩けるようになっていく」

というのは、とても自分の上達を感じやすい目安かと思います。

一年前は腕がつりそうになりながら必死に叩いていたBPM180の8ビートが、 今はBPM200でも余裕で叩ける。とかは上達を実感しやすいですよね。

これに対して、

「どんどん遅いテンポが叩けるようになっていく」

というのは、なかなか効果をイメージしにくいものですが、 リズム感の向上には非常に有効です。

目安はBPM40〜60くらいが良いかと思います。



カウントを口で発音しながら演奏する

前記までの練習法が、どちらかと言うと

「繰り返し練習して体に刻み込む」方法

であるのに対し、イメージ的には

「直接リズム感に関する脳を鍛える」練習法

であると言えるかも知れません(あくまでイメージの話です)。

リズムパターンやフィルイン等の様々なフレーズを練習する際に、 カウントを発音しながらやってみます(そのままですね)。

ただ「1、2、3、4・・・」と数えていくよりは、

「1 & 2 & 3 & 4 & ・・・(ワン エン トゥ エン スリー エン フォー エン・・・)」

と、歌うように発音する方が効果的です。
実際に発音することで、リズムの意識に対する感覚が強化されます。



ドラムを録音して聴く

非常にめんどくさがられる練習法ですが、これがかなり重要です。

自分が演奏しているときは気付かなくても、誰しも演奏にはクセという ものがあり、ドラムでは一つ一つの音の「間隔」に現れやすいものです。

つまり音の間隔が「詰まっている」部分と「間延びしている」部分が できてしまうわけです。これを自分で意識的に楽曲の表情に合わせて 使い分けられるならば理想的ですが、大抵はまったく気付いていない 場合が多いようです。

しかもこの症状はメトロノームを使用しても気付くことができないのが ミソです。クリック音の間隔内で無意識に「詰まっている」部分に対して 「間延びしている」部分を作り出してつじつまを合わせてしまうため、 いつまでも気付くことができないのです。

ときどき「メトロノームはドラマーを殺す」みたいな説を耳にすることが ありますが、その理由はこれによるものが大きいのではないでしょうか。

そこで「自分のドラムを録音して聴く」という方法が必要になってくる わけです。バンドでの演奏を録音するのは良くやるかもしれませんが、 これだと他の音に紛れてドラム音の細かな間隔がわかりにくいので、 やはりドラムだけで録音するのが良いと思います。そしてそれを繰り返し 聴き、自分の悪いクセを一つ一つ見つけて次回の練習時に意識するという ことです。

この「クセ」はそれぞれ独立していることが多いため、一つ改善しても 連鎖的に他の部分が改善されるということが少なく、とても膨大な作業に なりますが、非常に重要な練習法です。